スナップって具体的にはどんな動作なの?

スパイクを打つときにはスナップをきかして打ちなさい。

バレーボール経験者であれば、一度は聞いたことのある言葉ではないでしょうか?さて、「スナップをきかす」とは具体的にはどのような動作のことを指しているのでしょうか。

「スナップをきかす」から連想するイメージ

私が「スナップをきかせて打つ」という言葉から連想する動作を言葉にするならば以下のようになります。

ボールを打つ直前に手の甲を後ろに反らせて、打つ瞬間に一気に掌屈する。

推測にはなりますが、多くの人が私と同じような動作を「スナップをきかせて打つ」という表現から連想するのではないでしょうか。

ボールにスピードは出るのか

上記のような動作でボールを打ってみることを想定してみてください。もしくは実際にボールを打ってみてください。

どうでしょうか?

コントロールはできるにせよ、おそらくよほど強靭な手首でないとスピードのあるボールを打つことは難しいと思います。

なぜなら、単純にこの動作を行うためのスピードが遅いからです。手首をいくら鍛えたとしてもスピードには限界があるでしょう。

ではどのような動作でボールを打てばスピードが出るでしょうか。考えていきたいと思います。

トイレでハンカチがない。さて、どうする?

みなさん。想像してみてください。トイレに行って手を洗いました。

さてポケットにあるハンカチで手を拭こう。

あ、

あ、

あ、

あ、

ない。朝入れたはずのハンカチがない。

さて、手について水をどうしますか?服で拭いちゃダメですよ。

どうしますか?

友達の服で拭いてもダメですし、友達のハンカチを借りてもダメです。そのまま自然乾燥を待つのもダメです。

おそらく最も効果的に水を切るには、下記のような動作をすると思います。

手のひらを自分の方に一瞬向けて、それを一気に体の外に向けて振り下ろす

実はこの動き、小さい子どもも「自然」とやっています。小さな子どもでもできる「自然」な動きが結局は一番スピードが出るわけです。そして、この動作の延長線上でボールを打つのが最も理想的です。最初の一瞬だけ力を加え、そのあとは完全に脱力します。この動作の速度が最大となるポイントでボールを打つことができると、スピードのあるボールを打つことができます

理想的な動作をスローモーションでお楽しみください

では、理想的な動作をスローモーションで確認していきましょう。
できれば、バレーボールのスパイクを例にあげていきたいところですが、あまりにも美しいスローモーション動画を発見しましたので、そちらをご覧ください。

誰もが知っているメジャーリーガーのイチロー選手の投球フォームです。基本的にボールを投げるのも、ボールを打つのも同様の動きになりますボールをリリースする瞬間がバレーボールでいうボールをヒットするタイミングだと考えてください。

下記動画の10:00あたりからスローモーションをお楽しみください。

水きりの動作と同じ動きだということが分かると思います。イチロー選手の送球はご存知の通り「レーザービーム」と表現され、高い評価を得ています。このレーザービームを生み出す動作の一つの要素が「水きり」動作なのです。

故障という観点から

ここまで書いてきた通り、「自然」な動きはスピードを生みます。そして、さらに生まれ持った「自然」な動きは身体に負担をかけません。「自然」な動きというのは「理にかなった」動きなのです。自然な動きは繰り返し、行っても故障には繋がりにくいと考えられます。

これに対し、「スナップきかす(ここでは、ボールを打つ直前に手の甲を後ろに反らせて、打つ瞬間に一気に掌屈する動作を指す)という動作」はどうでしょうか。やってみれば分かりますが、これは意識的に、終始、力を入れて行われる動作です。こうしたずっと負荷のかかる動作を何度も繰り返していると故障につながる可能性は高いと考えられます。

「スナップ」という言葉について考え、思うこと

ある動作について説明するときに大切なことは「具体的な言葉で表現する」ということです。今回の話で言うと「スナップをきかせて打つ」という表現では受け取り手によっては誤解を与えかねないということです。

特にコーチングの際には気をつけないといけません。

もし、抽象的で具体性に欠ける言葉で説明してしまうと、選手は良くない動作を覚えてしまう可能性があります。こうして考えると普段、指導者の発する言葉ひとつひとつの重要性に気がつかされます。何気なく使っている言葉の意味について深く考え、正しく相手に伝わっているのかを振り返ってみる必要があると思いました。

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