フリーポジション制度を起点に、日本のバレーボール育成システムを考える

日本の育成システムへの違和感

バレーボール日本代表(特に男子)が世界で勝てなくなってから長い月日が経っています。

その長い月日の間に、世界のバレーボールは目まぐるしくレベルアップしてきました。しかしそんな中、様々な面において、日本は変化することなく、独自のやり方を貫いてきた結果、取り残されているのではないだろうかと感じています。そして、このままだと、さらに世界との差は拡がっていくのではないだろうか?そんな危惧感が私にはあります。

日本のバレーボール界が発展し、世界トップレベルで戦えるところまで到達するためには、どんな変化が必要なのだろうか?こんな問いを常に持ちながら活動してきました。そして、自身のコーチという立場から、どんな変化が必要かを考えていく中で、浮き彫りとなってきたキーワードは「育成システム」です。

海外の育成システムを見聞きする中で、日本の育成システムに大きな違和感を感じ、大改革をしていく必要があると考えるようになったのです。

日本のガラパゴスルール。フリーポジション制度

そして、特に私が日本の育成システムの中でも違和感を強く感じたのが、小学生バレーボールに適用される「フリーポジション制度」です。

フリーポジション制度は継続すべき?それとも廃止すべき?

先のツイートの通り、私はフリーポジション制度の廃止論者ですが、実際は一つの小学生バレーボールチームだけを継続的にコーチングした経験がありません。実際、小学生カテゴリーの現場コーチがどのような感覚を持っていて、どんなことを感じているのかを知りたい。そしてそもそも日本のバレーボール関係者がフリーポジション制度についてどのように考えているのかを知りたいと考え、次のような企画をツイッター上で実施することにしました。

フリーポジションは継続すべきか?廃止すべきか?の2択でアンケートを実施しました。私の予測を大幅に超え、324票の回答を得ることができました。

そして、最終結果は先のツイートの通り。ほぼフィフティー・フィフティー

この結果から、私が想像したことはこれまでもおそらく何度も「継続か?廃止か?」といった議論が多く重ねられてきたということです。そして、どちらサイドにもそれぞれの論理があり、その根拠もあるのだろうということでした。

投票の背景にある考えや経験を知る

多くの方から投票をいただく中でツイッター上で、様々な育成に対する議論をさせていただきました。一部抜粋して紹介します。

フリーポジション制の本来の趣旨が理解されていれば、制度としては悪いものではないのかもしれないが、実際は趣旨が浸透せずにポジションを「固定化」する原因となったというご意見がありました。

また、フリーポジション制という特別ルールに真っ向から対抗する姿勢で、通常ルール通り小学生カテゴリーにおいても、ローテーション制を採用して試合に出ているというチームも存在していることが分かりました。

また、実際にフリーポジション制度の弊害を感じているというコーチの方のご意見がコチラ。

一方では、フリーポジション制度の廃止によって、バレーボールの裾野を広げることができなくなるのではないか?といった意見も出ました。

さらに、皮肉的な意見ではありますが、フリーポジション制度の存在によって、比較的、誰でもコーチができるような空気感が生まれ、裾野が広がったのではないかという意見もありました。

また、次のように鋭い意見もいただきました。

フリーポジション制度を廃止したところで、結局はコーチの方針次第で、特定のポジションだけでしかバレーボールを経験しないというプレーヤーが生まれているという意見もありました。そして、さらに、さらに、議論は発展し、フリーポジション制度の議論に留まらず、次のような意見も出てきました。

現在のトーナメント形式の試合が主流の日本の育成カテゴリーの現状は、一発勝負・勝利至上主義というものを加速化させている。それによって、短期間で試合に勝つにはどうすればいいのか?という思考にコーチが陥ってしまう。であれば、リーグ形式を主流にしていろんな選手が試合に出られる。いろんなチャレンジがしやすい環境を創ることができるのではないかという意見も出ました。

「フリーポジション制度」という切り口から育成システム全体への議論へと発展していったことには、非常に興味深いものを感じました。

育成システムの大改革期が来ている!?

投票企画をする前まで、私は完全なるフリーポジション廃止論者でした。しかし、実際に継続論者の方の意見を聞いていると確かに納得する部分も多々ありました。そういう意味ではやはり、いろんな経験と考えを持った人々がオープンな場所で議論をしていくことが重要なのだと思いました。

また、育成システムの一部(ここではフリーポジション制度を指す)だけを見直したとしても結局のところ、大きな変化を生み出すことはできないということも想像できるようになりました。

フリーポジション制度うんぬんだけの話ではなく、先にも出ていたリーグ形式での試合を主流にするといったこともそうですし、部活動の仕組みだけで中高生の育成のほとんどをまかなっているといった状況を変えていく必要もあると思っています。

さらにいうならば、幼少期から特定スポーツに絞り、他のスポーツを全く経験せず、一つの競技を全うすることが「美徳」だといった空気感も変えていかなければならないと思ったりもしています。

バレー界の育成システム全体を捉えて、変えていくという俯瞰思考を持ちつつ、さらに日本のスポーツ界の育成システム全体を見るといったより俯瞰的な思考もできるようにしなければと思います。

多くの課題が山積するバレーボール界の育成システムですが、一つ一つ議論し、変化を恐れず、失敗を恐れず、改革していく必要があると思います。そして、そのタイミングが「」なのだと思います。

コメント

  1. […] フリーポジション制度を起点に、日本のバレーボール育成システムを考える […]

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