スポーツビジョン(sports-vision)が競技力を高めるために必須である理由

スポーツビジョン。

この言葉を耳にしたことがない方もいるかもしれませんが、徐々にスポーツに関わる人の間では、市民権を得てきたのではないでしょうか。

日本語に訳すと「スポーツにおける視覚機能」

人は五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)を使って外部からあらゆる情報を収集し、その情報に基づいて判断を下し行動しています。その中でも「視覚」が占める割合は80%を超えているというのが通説となっています。

そして、スポーツをする際も「視覚」からの情報が行動に大きな影響を与えるということに異論を唱える人はいないと思います。本記事では、スポーツビジョンについてできる限り分かりやすく解説し、その重要性を知ってもらうことで読者のみなさんの競技力向上につながることを目的としています。

スポーツビジョンって何?

スポーツビジョンについての研究が始まったのは1970年代後半のアメリカ。日本に紹介されたのは、1980年代とのこと。研究対象としてはまだまだ新分野と言え、まさに発展途上とも言える分野です。今後研究がさらに進んでいくことが期待されています。

ここでは、これまでの研究において、スポーツビジョンを構成する代表的要素について解説をしていきたいと思います。また具体的なイメージを持ってもらうために要素毎に、バレーボール競技における具体的な場面についても言及しています。

静止視力

動きのないものを見る能力のことです。一般的に行う検診で測定する視力のことだと考えてください。他の視覚機能が高いとしても、静止視力が低いと、対象物がぼやけ、はっきりと見ることができず、スポーツをする上で非常に不利な状態に陥ります。静止視力については、トレーニングすることで向上させることができない能力であるため、メガネやコンタクトなどの視力矯正を行うといった手段が一般的です。

動体視力

動いている対象物を目で見て追跡する能力のことです。バレーボールをはじめ、野球や卓球などの球技(特に高速でボールの動きがあるもの)を行うプレーヤーにとって重要な能力となります。男子バレーボールの世界トップレベルのスパイクの球速は時速100kmを優に超えますので、そのボールをレシーブするには動体視力が必須です。動体視力は、下記のようにさらに2つに細かく分けることができます。

縦方向動体視力(KVA動体視力)・・・遠方から自身に近づいてくるものを見る能力

横方向動体視力(DVA動体視力)・・・目の前を上下左右に動くものを見る能力

周辺視野

動いているもの、または動いていないものを見ると同時に、その周辺の状況を目で捉える能力のことです。広範囲のものを目で捉えることができれば、周囲と自分の位置関係を把握するのに役立ちます。バレーボール競技において、セッターがセットする際に味方アタッカーの体勢や相手ブロッカーの立ち位置(周辺状況)を正確に捉えることができれば、より良いセットをアタッカーに供給し、またブロッカーの枚数を減らすことに成功するでしょう。

眼球運動

動いている複数のものに対して「素早く」そして「正確に」眼球を動かし捉える能力です。眼球運動には、上下左右のあらゆる方向に視線を向けるなどの色々な動きがありますが、左右の眼の視線をバランス良く、対象物に対して動かし、捉えることができるかが重要になってきます。バレーボール競技において、ブロックをする際に相手コートにあるボールの動きや相手コートにいる複数アタッカーの動きを捉えることができれば、適切な状況判断をすることができるでしょう。

コントラスト感度

「明るい」「暗い」といった色合いの差を見る能力です。

深視力

遠近感や位置関係(対象物と自分との距離感など)を見る能力です。
バレーボール競技において、2段トスを上げる際に自分とアタッカーとの距離感を持つことができれば、アタッカーが打ちやすいトスをあげることが可能となるでしょう。

瞬間視力

「一瞬」のうちに多くの情報を正確に把握する能力です。
バレーボール競技において、アタックを打つ際にボールを見るだけではなく相手チームのブロッカー・レシーバー、さらには相手コートの状況を一瞬のうちに把握することができれば、得点可能性を一気に高めることができるでしょう。

眼と手の協応動作

見たものに対して、素早く正確に身体を反応させる能力です。
バレーボール競技において、ディグをする際に相手アタッカーが自身の前方にフェイントをおいたことを目で見て、それに対して素早く身体を動かすことができれば、とっさのフェイントを拾うことができるでしょう。

スポーツビジョンが競技力を高める理由はシンプルである

ここまでスポーツビジョンを構成する要素について一つ一つ解説してきましたが、ここまで読んでいただけた方には、十分、スポーツビジョンの重要性を感じていただけたのではないかと思います。また前述の通り、人間の情報収集の80%が視覚に頼ったものであるという点から考えてみても、一瞬の状況判断を常に求められるスポーツ(特に球技)において、スポーツビジョンを鍛えることは、競技レベルを向上させる上で極めて重要なことであると分かっていただけるかと思います。

バレーボールに必須のスポーツビジョン要素とは何か?

スポーツビジョンと一言で言っても、スポーツによって求められる要素は微妙に違ってくることがありますが、ここでは特にバレーボール競技を行う上で、特に重要だと考えられる要素をピックアップします。

静止視力/動体視力/周辺視野/眼球運動/深視力/瞬間視力/目と手の協応動作

ほとんど全部、重要じゃないか〜!!

書いている私でさえも、そんなツッコミを入れたくなりますがこれが私の結論です。

トップレベルの選手を目指すなら。もっと上手にプレーできるようになりたいなら。トップレベルの選手の育成を目指すなら。バレーボールの醍醐味をもっと楽しみたいと思うなら。スポーツビジョンの視点は欠かせません。スポーツビジョンを制するものがバレーボールを制するといっても言い過ぎではないのかもしれません。

バレーボールは「状況判断のスポーツ」です。最適な状況判断をするためには、「正しい情報」「素早く」「たくさん」「正確に」インプットすることがまずは求められます。そのためにはスポーツビジョンが必須なのです。

スポーツビジョントレーニングは日常的に取り組める

トレーニング方法については本当に様々あります。ちょっとした隙間時間にできるものから本格的なものまで色々あります。

ただ文章だけで解説するよりも動画と一緒に解説があったほうが分かりやすいと思いますので、当記事ではトレーニング方法の紹介は割愛します。(ゆくゆくはそうした動画もアップしていきたいと思っています)

また、スポーツビジョントレーニングについてまとまった情報を得たいのであれば、本を一冊購入するのが良いと思います。下記に私のお勧めの本を一冊紹介しておきます。

手軽にできるスポーツビジョントレーニング方法が満載


コメント

  1. […] 参考記事:スポーツビジョン(sports-vision)が競技力を高めるために必須である理由 […]

タイトルとURLをコピーしました