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ライフ・ワークはバレーボール探求。本サイトでは、バレーボールに関する情報を発信しています。また、バレーボール・アカデミーの経営・コーチングをしています。

【資格】国際バレーボール連盟(FIVB)公認コーチ Level2/日本スポーツ協会 コーチ4/バルシューレジャパンC級指導者/中高教諭1種免許(英語)

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『バレーボールの最小単位=ダブルス制』がプレーヤーの成長を加速化させる

より効果的に。より効率的に。プレーヤーにバレーボールを学んでもらう。

限られた時間の中でコーチングを実践しなければならないコーチにとっては、極めて重要なテーマであることは間違いないだろうと思う。

本記事では、アメリカバレーボール協会HPに掲載されているブログ記事を起点として、効果的かつ効率的な学習について考えていきたいと思っている。ブログ記事の要旨の紹介と併せて、筆者の思考も織り交ぜていきたいと。

Teaching More Effectively and Efficiently

USA VOLLEYBALL blog written by JOHN KESSEL(ジョン・ケッセル)

FIVBインストラクター,ジョン・ケッセルの考え

まず、ブログの冒頭部分で執筆者は下記のような主張をしている。

要素還元的ドリル方式の学習では、プレーヤーはバレーボールのやり方(プレー)を学べない。より効果的な学習はカオスでランダムな練習・ゲームの中で起こる。プレーヤーの脳にとって想定外で、問題解決が常に必要とされるような状況をプレーヤーに強制しなければならないのだ。

確かに要素還元的なドリル、いわゆる反復的で次に何が起こるか分かっている練習というのは学びが少ない。無思考に繰り返すことができるのでプレーヤーの脳にとっては簡単でつまらない練習になりかねないということだ。

そこで、彼はその真逆にあるプレーヤーの脳にとって、想定外で問題解決が常に必要とされるような状況を再現する、つまりはゲーム・ライク練習が学習効果を最も高めることができるといっているのである。

こうした主張の後に学習効率も同時に高める具体的手法として、ダブルス、つまりビーチバレー方式のゲーム・ライク練習を提案している。そして、この提案の根拠として次のように挙げている。

運動スキルを発達させる方法はボール・コンタクトだ。誰かがボール・コンタクトしているのを見ることではない。

当たり前のことかもしれないが『納得』である。

誰かのボール・コンタクトを見ていても自分のボール・コンタクト・スキルは向上しない。

ダブルス制を採用することによって、6人制を採用するよりも圧倒的にボール・コンタクトを増やすことが可能となる。

さらに続けて、バレーボールの本質とは何かということについても次のように語っている。

バレーボールは世界中で最もランダム性を伴うスポーツだろう。狭い空間に12名のプレーヤーがプレーするだけでなく、ゴルフやテニスと違って身体でボールヒットしなければならない。どのボールヒットもユニークなもので、プレーを成功させるためには、適切な場所に適切なタイミングで、ボール・コンタクトするために、適切なゲームの読みもしなければならない

簡単にまとめると彼が言いたいのはこういうことだろう。

「バレーボールのボール・コンタクトはスポーツの中でも極めて特殊で、その難易度はとてつもなく高い。」

さらにさらに、バレーボールをバレーボールたらしめる重要な要素としてネットを挙げ、それについて熱っぽく語っている。

ネットを使わないというのは学習は効果的ではない。なぜなら、同一コート内を使うだけの練習は見た目にはよいだろうが、それは、ゲーム中の必ず起こるはずの刺激を取り除いているし、ゲームのリアリティを経験するチャンスを奪っている。ネットを挟んで学ぶことが最も効果的だ。

もうこの主張の熱さは、『ノー・ネット、ノー・バレーボール』である。

ネットを挟んだ練習となるとどの練習にしてもその難易度は格段に上がる。初心者であればあるほどその影響は大きい。ネットを挟んで行う練習は大抵うまくいかない。見た目は悪い。アグリーである。プレーヤーが感じるストレスを大きくなるだろう。

もしかするとネットを使った練習を見ているコーチも、うまくいかない様子を見て、それが自分の指導力のなさが招いた結果ではないかと心が揺らいでしまうのかもしれない。そして、しまいには感情的になって怒ってしまうかもしれない。

しかし、バレーボール・ゲームには必ずネットが存在している。今、ネットを使わずに練習していては実際のゲームをするときには手遅れになってしまう。

そして最後には、ダブルスの導入が特に初心者へのバレーボール導入において最も効果的・効率的であることをまとめている。以下の通りだ。

ダブルス、もしくは3人制のバレーボールは、バレーボールというスポーツを学習するにおいては最も効果的かつ効率的な方法だ。ただ、これは、6人制バレーボールに関連する戦術やシステム、そして、その他オプションを十分に学ぶ準備ができたときまでに限ってである。インドア・アウトドアに限らず、私は2人制、もしくは3人制のミニゲームを推奨する

ここでのまとめが素晴らしいと感じるのは、ただいつまでもひたすらにダブルスさえやってさえすればいいとは言ってはいない点である。「6人制バレーボールの環境でしか学べないことがやがて出てくる。」ということを明記している。ここからも、彼のプレーヤーの育成を極めて長期的かつ計画的に行っていこうとする姿勢が強く感じられる。

育成における『効率』と『効果』

私自身はアンダーカテゴリー(特に小学生)を中心にコーチングをすることが多い。週に2回。1回あたり2時間の練習という極めて限られた時間の中でいかにプレーヤーが成長できる環境を構築するかということには注力しているつもりである。

現クラブの活動を開始して約2年間、試行錯誤をしながら実に様々な練習プランを立て実践してきたが、唯一欠かしたことがないのが、ダブルス制もしくは3人制のゲームライク練習である。

こうしたゲームライクな練習中にもコーチから言葉によるフィードバックやティーチングを入れることは当然ある。こうしたコーチによる介入が少なからずプレーヤーの成長に寄与していると感じる部分もあるが、それ以上にダブル制や3人制でのゲームという環境がプレーヤーを大きく成長させているという事実は紛れもないものだと確信している。

プレーヤーを成長させるものは、やはりゲームそのものなのである。

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