サーキュラー・アーム・スイング(バレーボールのスパイクスイング)

スパイク・スイング分類の一つ。

サーキュラー・アーム・スイング。

本記事では、このスイングについて徹底的に解説していきたいと思います。

サーキュラー・アーム・スイングとは

バレーボールのスパイクスイングは大きくは3つに分類することができます。

アリー・セリンジャー氏の著書である“セリンジャーのパワーバレーボール”を元にして分類されているようです。こちらの書籍は絶版でプレミア価格がついていますね。驚きの価格です。

1.ストレート・アーム・スイング

2.ボウ・アンド・アロウ・アーム・スイング

3. サーキュラー・アーム・スイング

3つあるスイングの一つとして分類されているサーキュラー・アーム・スイングですが、日本語に訳すと「円形(扇形)に腕を振る」となります。

日本語に訳してみると、実に巧妙に動作イメージを言い当てたネーミングであると感心させられます。最初のイメージとしては、ボールをヒットするまでの腕の動きが、円形(扇形)を描くのように動くスイングであると理解してもらえればと思います。

サーキュラー・アーム・スイングのスローモーション動画

全日本男子のエースである石川選手のフォームです。実際の試合中の映像をスローモーションにしたものです。そのため、体勢が崩れながらのアタックシーンも存在しています。

サーキュラー・アーム・スイングの特徴が見えづらいシーンもあります。動画の46秒時点から始まるスパイク動作は、典型的なサーキュラー・アーム・スイングだと言えるでしょう。そちらを参考にしてみてください。

また、野球選手になりますが、現在も現役で活躍されている前田健太選手の投球フォームも綺麗なサーキューラー・アーム・スイングと言えます。こちらも参考にしてみてください。

サーキュラー・アーム・スイングを図解する

サーキュラー・アーム・スイングの日本語訳とその簡単な説明を先述しましたが、確認の意味を込めて再度ここで紹介しておきます。

日本語の訳:円形(扇形)に腕を振る

簡単な説明:ボールをヒットするまでの腕の動きが、円形(扇形)を描くのように動くスイング

さて、ここからサーキュラー・アーム・スイングの動作について詳しく図解していきます。下記の解説は、右利きのプレーヤーを前提とした説明になっています。ご了承ください。また、“赤丸印”は右肘の位置を指しており、“矢印”は右肘の軌道を示しています。

1.体幹の右方向への回旋運動によって、右手のテイク・バック動作を行う。

2.さらに、体幹の右方向への側屈運動によって、右手のテイク・バック動作がさらに大きくなり、右肘が下がります。また、左手は落下してくるボールに向かって突き出している状態です。このとき、両肩と右肘はほぼ一直線上に位置します(体幹の右方向への回旋・側屈運動を起点にテイク・バック動作で起こっている)

3.テイク・バック動作完成後、ボールヒットに向かうプロセスに入っています。今度は、体幹の左方向への回旋と側屈運動がスタートします。これらの運動に連動して右手はスイング動作に入っていきます。この際、右肘はやや前方、上方へ移動していきます。

4.体幹の回旋・側屈運動に連動してスイングの動作は加速していきます。この際、右肘はさらに前方、上方へ移動していきます。

5.スイング動作の加速度が最大かつ最もパワーを発揮できるゼロ・ポジションでボールヒットを行います。

6.ボールヒット後のフォロースローです。

上記の図からも分かるように、体幹の回旋・側屈運動を起点としてテイク・バック動作からスイング動作へと移行していきます。そして、そのプロセスで右肘は円を描くような軌道を通過します。この円を描くような軌道から「サーキュラー」というネーミングがなされているということです。

また、ボールヒットまでのスイングプロセスの中では常時、両肩と右肘は一直線上にあります。これは「体幹の運動によって、腕が振られている」ということを示しています。

※体幹:体の主要部分。胴体のこと。また、その部分にある筋肉。

※回旋:回転すること。

※側屈:身体を側方に曲げること。

※テイク・バック:ボールをヒットする前準備として、身体の後方に利き手を移動させる動作のこと。

あわせて読みたい記事:ゼロ・ポジション(zero-position)は最高のパフォーマンスを出す身体に優しい位置である


サーキュラー・アーム・スイングは最も合理的である

大きく分けて3分類あるスパイク・スイングですが、本記事では、サーキュラー・アーム・スイングに特化する形で解説してきました。その理由はサーキュラー・アーム・スイングが最も合理的なスイングであり、多くの方にこのスイングについて理解していただきたいと考えたからです。

体幹の回旋・側屈運動による力強いスパイク

サーキュラー・アーム・スイングは先述した通り、コンセプトは「体幹の回旋と側屈運動を起点とする」という点にあります。このコンセプトを活かして、体幹の回旋と側屈運動を最大化することによって、肩の可動域を最大限広げることができます。そして、その結果としてより強力なスパイクを打つことができます。

肩や肘などへの負担が少ない

上記の通り、体幹の回旋・側屈運動を最大化することによって、体幹以外の肩や肘への無駄な負担を軽減することができます。体幹の運動を効率よく利用できずに強いスパイクを打とうとするならば、必ず肩や肘、腰といった体幹以外の身体部分に負荷がかかり、その結果として怪我や支障に繋がります。

スパイクコースが最後まで分かりづらい

解説での図を最後ご覧いただければ、イメージしてもらえるかと思いますが、相手チームのブロッカーやレシーバーに最後までスパイクコースを読まれにくいという点で攻撃において優位に立つことができます。

サーキュラー・アーム・スイングは、ヒットの直前までそのプレーヤーの身体全面が相手コートのプレーヤーに見えにくい状況(直前までどのポイントからボールが飛来してくるのか見えにくい状況)を生み出します。

そのため、ディフェンス側のブロッカーやレシーバーは最後までアタッカーのスパイクコースを正確に把握することが難しくなります。

ここでの話は、野球のピッチングにおいても同じことが言えるようです。桑田真澄元選手が指導動画で、その点について詳しく解説されていますのでご覧ください。5分経過したところから見ていただけるとその共通点に気付いてもらえるかと思います。

サーキュラー・アーム・スイングを身につけるために一番初めに行うこと

本記事を読んで、サーキュラー・アーム・スイングを身につけたい、どのようなものかを体感してみたいという方がいれば、まずは次のことに取り組んでみてほしいと思います。

サーキュラー・アーム・スイングで野球ボールを投げる。

バレーボールのスパイクでいきなり、サーキュラー・アーム・スイングを体得することはかなり難易度が高いです。

なぜならスパイクとは、毎回一定ではないところに上がってくるボールに位置やタイミングを合わせて、そこに向けて最大限のジャンプをし、空中という非常に不安定な場所で、重いボールを手のひらでヒットするという極めて難易度の高い技術だからです。

ですから、まずは利き手にボールを握って、ジャンプする必要もなく、安定した地面に足をつけた状態で、比較的軽いボールを投げるというピッチング技術を身につけるところから、サーキュラー・アーム・スイングを理解していけばよいのです。

ピッチングの練習をする際には、本記事で紹介した図や下記の動画(上記の桑田真澄元選手の動画と同じ)を参考にしてもらえればよいかと思います。ここで紹介している桑田元選手の指導動画は本当に分かりやすく勉強になります。オススメです。

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